2020年度の活動についてご報告します(その②) ドキュメンタリー映画『最も危険な年』オンライン上映会に参加しました

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ドキュメンタリー映画『最も危険な年』

(主催:Team Respect and Solidarity(TRanS) トランスアライ)

 

数年前に通訳をしている友人から、今アメリカでは「トイレ問題」が大きな話題になっていると聞いたのに、詳しく知ろうとしなかった私は、この映画を観てまさに「このことだったんだ」と自分の無知を恥じ入りました。

 2016年、アメリカ、ワシントンでは同性婚を認める法案が認められたために、今度はトランスジェンダーに対するバックラッシュ(反動)として、トランスジェンダーのトイレ利用を制限する法案が議論されていました。

映画の中で、トランスジェンダーのトイレ利用の権利を認めると、(性)犯罪者が増えるかもしれないという何の根拠もない言説を支持する市民たちが声を大にして叫んでいました。

 

 

映画『最も危険な年(原題:Most Dangerous Year)』は、アメリカのトランスジェンダーの子を持つ親やその家族を描いたドキュメンタリーです。

 

かれらは、なぜ、自分たちの娘や息子たちは、将来の夢をもてるようになったのか、

なぜ、笑顔で走りまわれるようになったのか

なぜ、「トイレ」の議論が小さな家族に暗い影を落とそうとしているのかを、

自分たちの物語を語ることでトランス嫌悪と戦おうとしていました。

 

トランスジェンダーが圧倒的少数派である社会の中では、知り合いにトランスジェンダーがいる人もまた少数派です。人々の無知が、偏見や不安を増大させる現象はアメリカだけでなく、日本でも起きつつあります。

「日本でもかれらの闘いを知ってもらえたら」と主催したトランスアライの方が話されていました。

私は11月8日のオンライン上映会に参加しました。

 

 上映後のVlada監督への質疑応答では、「アメリカの学校でどのような教育が行われているか?」という質問に対して、「トランプ政権ではLGBTQのガイドラインが取り払われた状態だったが、バイデン大統領の政権下では保護されるのではないかと期待している。政府にLGBTQを守る法律がないため、州政府や学区での法律による。ワシントン州は保護されていると言える」とのこと。

 

また、「価値観が異なる人たちと分かり合うためには何が一番重要か?」という質問には、「相手のことを真摯に聞く、聞いていることを相手に伝える、何を怖れているのか、どんな経緯で怖れるようになったのか、見つけていくきっかけになる。」と話されました。

 

感想として、トランス女性にとって大きな問題で、今の日本の状況が映画と同じような状況に近くて怖いと思うことがあるという声がありました。

私は性別に対する違和感は幼児期から認識されるが、それが社会でどのように判断されるのかをいくら幼くても敏感に感じとっていることに確信を持ちました。

 

ぜひ皆さんに観ていただきたい映画です。